ジャン=リュック・ゴダール『男性・女性』

cinema
2000.07.21

副題として、「マルクスとコカコーラの子供たち」と掲げられているように、同時代フランスの若者の分裂症的生態をエッセイ風につづった作品。恋とマルクス、愛と反戦、性愛とゼネスト、避妊とアメリカ、娼婦とコミューン…。15の断章によって文字通り引き裂かれた若者たちの統計的実態が、アイドル歌手シャンタール・ゴヤの儚くも頼りない歌声をバックに描き出されていく。JLGは若者にたくさんの書物を読ませ、そこから得られる無邪気で浅薄で、そして空疎な過剰反応あるいは無反応をモノトーンの映画のなかに凝縮させている。若者たちの統計的実態を描き出していたはずのこの映画は、最終的にはそもそも統計の手法が誤っていたことで、破綻してしまう。この破綻がJLGをしてJLGたらしめているといえる。この手法はのちの『中国女』に反映されるだろう。しかしすごいね、シャンタール。これぞアイドル! かわいいっす。

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監督・脚本:JLG
撮影:ウィリー・キュラン
録音:ルネ・ルヴェール
音楽:フランシス・レイ、モーツァルト
編集:アニエス・ギュモ
出演:ジャン・ピエール・レオー(ポール)、シャンタル・ゴヤ(マドレーヌ)、マルレーヌ・ジョペール(エリザベート)、ミシェル・ドゥボール(ロベール)、カトリーヌ=イザベル・デュポン(カトリーヌ=イザベル)
1965-66年/フランス・スウェーデン/112分/モノクロ/スタンダード

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