超有名シーンの連続。プロペラ機に追いかけられ逃走する思いもよらぬシーケンス、あるいは、四人の大統領像のあるラシュモア山を背景に繰り広げられる、ヒロインの肘が心配なスリル満点のシーケンス。今日のハリウッドのエンターテイメント性はほとんどヒッチコックを原典としていることがよくわかる。ヒッチコックのこの作品をみれば、今日量産されるハリウッド映画のほとんどは、もはや劇場へ足を運ぶ必要はないといってもいいほどである。
だが、この映画の本当の見所は、パンである。
ところで余談だが、いままでみたヒッチコック映画のヒロインのなかでも、エヴァ・マリー・セイントが個人的には一番好きかもしれない。本当にどうでもいい話だが……。そうそう、この作品の翌年に『サイコ』が撮られるというのも、なかなかすごいことではある。
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監督・製作:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:アーネスト・レーマン
音楽:バーナード・ヘルマン
撮影:ロバート・バークス
出演:ケリー・グラント(ロジャー・ゾーンヒル)、エヴァ・マリー・セイント(エヴァ・ケンドール)、ジェイムズ・メイスン(フィリップ・ヴァンダム)、ジェシー・ロイス・ランディス(クララ・ゾーンヒル)、フィリップ・オーバー(レスター・タウンゼント)
1959年/アメリカ/137分/カラー