予約開始『精神の歴史 近代日本における・・・』

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2009.05.24

私的な仕事がぼちぼち終わりそうなので(まだ完全には終わっていない……)、ノートル・クリティーク第2号の編集にも本腰を入れているのだが、それはそうと、自分の本がアマゾンで予約できるようになっている(装幀は写真がまだ出てませんが、綺麗です。奥定泰之さんのお仕事ですが、さすがプロのお仕事だと思います)。[詳細はこちら]

これまでの雲を掴むような仕事が形になるというのは、率直に言って、非常に嬉しい。意外なことだし、すこし可笑しいが、社会にとってなにか《意味》のある仕事がしたい、という思いが自分は非常に強いようだ。男に生まれたからには……、とそんな風に考えたりもするくらいだ。古い言い方をすれば、《事業》をなしたい。ちょっと不遜な言い方をすると、政治や経済といった実業だけが《事業》だなんて思ってる唯物主義的人間は嫌いだが、所詮は文筆なんて虚業さ、ファンタジーさ、と割り切ってるロマン派的人間も嫌いである。となると、《虚業を事業としてやる》、ということしか自分には選択肢が残っていない。

それで文章を書く。文章を書いて、書いたそのときは仕事をした気になる。だが、世間の反応はない。ホームランを打った気でいても、誰もボールを取りに行かない。結局、打った本人がボールを取りに行くような、草むらを掻き分けて自分の打ったボールを探すような、そんな気分になる。といって、自分のそういう欲望に身体を捧げられるほど割り切ってもいないし、自尊心も強いから、うまく宣伝できるわけでもない。それで雑誌を作って、せめて戦う姿を後輩に見せようということを考えた。落ち込むのも柄じゃないし。京都にはたくさん大学があって、博士号はもっていても、大学の数だけ自分のようなうだつの上がらない人間がいるから、周りの大学のひとたちも誘おうとしたら、やはり周りでも同じようなことを考えている人たちがいて、それで編集委員会ができた。好意的にいって、みんな《俺が代表だ》と考えてるような野心家ばかりだから(?)、そのうち誰かに代表の仕事は任せる気だが、なんとか雑誌ができて、それが出版社の目に止まって、こういう運びになった。本当に幸運だったし、自分の本が出たから言うのではないが(いや、だから言うのかな?)、有志舎さんは、よい出版社だと思う。

宣伝が得意なひとなんて、そんなにいないだろうし、自分でもなんていってよいかわからない。なにはともあれ、買ってください。

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