原則的に、歴史の登場人物はみな明るい。とくにギリシア人ときたら。彼らには陰鬱な部分はみじんもない。彼らはいっさい、隠し事をしない。
ギリシア人は、人間がもつべき一切の深みを欠いている。たとえばオイディプスは、アポロンの神託から逃れるために、自身で目を突くという考えうる限りもっとも「浅い」解決法を選んだ。
歴史の登場人物はみな明るく、浅墓で、そして軽薄である。またそういう傾向をもつ時代こそ、あらゆる民族の歴史のなかでもっとも偉大な時代を形成する。
暗欝で、重苦しい時代であっても、結局、歴史の登場人物は、みな、その時点で可能なもっとも明朗な解決策を選ぶ。歴史ならぬ現在を生きるわれわれが彼らから学びうることは、どのような問題に直面しても、成功率の高い解決策よりは、より「明るい」解決策を選ぶよう努めることである。