真実は、今、ここに瞬間的にしか存在しない。真実は、未来においては、希望として未規定の形に人々の心に残されたままであり、過去において真実は、運命あるいは歴史のなかに、人々の心に変形させられた記憶として、断片的に残されるのみ […]
「歴史とは解釈である」。よく聞かれる言葉である。もちろん歴史は(史料の)解釈である。自明ながら、理系文型を問わず、あらゆる学問は、ある事象の解釈でしかない。この意味においては、大きな「解釈」という概念のその一部(解釈(学 […]
アレックス三部作以来、8年の沈黙を破って封切られたキャラクス監督作品。この作品によってキャラクスは再び現在進行形の映画人となった。ほぼ固まりつつあったキャラクスに対する僕の評価は溶解する。……JLGからの逃走路として彼に […]
アレックス三部作の最後を飾るのは究極の恋愛映画、『ポンヌフの恋人』。しかし、数年前に観たときとは印象がちがう。ストーリーが監督の手に余ってしまい、絶妙のコントロールを誇っていたキャラクスの作家的な手腕はここでは影をひそめ […]
歴史に取り組むことは答えのない難問に取り組むようなものである。真実は誰にもわからないか、あるいはどこにもない。ただ個々人によって変形させられた事実があるのみである。この「変形せられた事実」から、いかに多くの人々を納得させ […]
書くことが歴史なら解釈は是とされる。いや、書くこと自体が解釈することと同じである。……いかに僕が真実のみをただ提示しようという姿勢をもって歴史と接したところで、取捨選択の段階でそこに解釈が浸入する。当然、我々は歴史学が現 […]