映像には、つねに撮る側の視点が加わらざるをえないものであり、ましてやその映像を万人が観るに耐えうるかたちに編集しなければならないとすれば、ドキュメンタリー的価値が後退するとしても、必要悪として受け入れなければならない部分 […]
1990年の冬、再統一を遂げたドイツを唯一撮りあげた映画(といわれている)。もちろん、ロッセリーニへのオマージュ。80年代以降のJLG映画の到達点ではないか。最後まで非常に興奮して見終えた。JLGの映画への倒錯的な愛情は […]
「真実以外は何も語らない…」というジャンヌ役のファルコネッティの言葉は、それ自身が真実であるかのように思える。つまり、この映画そのものを、真実の高みにまで昇らせる、悲劇的で、かつ野心的な発言に思える。この古い映画は、連続 […]
アレックス三部作以来、8年の沈黙を破って封切られたキャラクス監督作品。この作品によってキャラクスは再び現在進行形の映画人となった。ほぼ固まりつつあったキャラクスに対する僕の評価は溶解する。……JLGからの逃走路として彼に […]
アレックス三部作の最後を飾るのは究極の恋愛映画、『ポンヌフの恋人』。しかし、数年前に観たときとは印象がちがう。ストーリーが監督の手に余ってしまい、絶妙のコントロールを誇っていたキャラクスの作家的な手腕はここでは影をひそめ […]