ふりしきる雨と強風を避けるようにして、高橋悠治のピアノリサイタルを聴くため大阪(石原ホール)へとむかう。客席はほとんどすべて埋まっていたものの、運指やペダリングなどその演奏振りをしっかり見ることができる、前から三列目の向 […]
昨日は、京都コンサートホールでグスタフ・レオンハルトによるチェンバロのリサイタルがあった。レオンハルトといえば、世界最高のチェンバロ奏者のひとりであり、映画『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』(ストローブ&ユイレ監督) […]
再び、颯爽とアファナシエフは登場した。低い椅子に彼の痩躯(そう見えた)を埋めて、譜面台の上にそっと手を置く。瞬時に彼の周りの空気が醒めていくのがわかる。静謐とした冷気が彼を包み込む。そうして、昨日と同じように、また不意に […]
彼は颯爽と登場した。そして、低い椅子に座り、彼が鍵盤に向かうやいなや、彼の周りにできたわずかな空気の隙間に、静寂のヴェールが浸入する。聴衆は一気に緊張の度を高める。彼は、おもむろにかなり高い位置に両手をあげ、その手を、鍵 […]
ウエスト・コーストから産声をあげ、1971年にリーダー、ジム・モリスンが急死するまであらゆる面で華々しく活動を繰り広げた伝説的バンド、ドアーズの記念すべきデビュー作。このバンドの特徴は、やはりジム・モリスンの「悪魔的な」 […]
1960年代半ば、アメリカで登場した「ミニマリスム」、いわゆる最小限主義は、まず美術界から起こった。この芸術運動は、作品の匿名性、いわば作者の内的イマージュの徹底的な廃棄を目指し、また、前衛運動の最後の音楽に位置付けられ […]
演奏とは、じつは創造である。創造であるほかないのである。例えば、バッハの演奏なら、それがバッハの再現前化であるようなことは決してない。その逆に、作曲という外観上創造的に見えるものが、じつはなにかの再現前化であるようなケー […]
愛撫。久々に聴きかえしている。 このアルバム製作の直前、スランプに陥ったと坂本龍一は述懐していたと思う。POPをテーマに据えることの困難が、そうさせたのだと思うし、この道は出口のない道であるようにも感じられるが、それでも […]